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中国の高考は、なぜ「何点取ったか」だけでは決まらないのか――「省内順位」で見る、中国の大学受験

12 時間前
読了時間: 5分

中国の高考は、なぜ「何点取ったか」だけでは決まらないのか

――「省内順位」で見る、中国の大学受験



■ 「何点取ったか」だけでは、大学は決まらない


前回の記事では、中国の大学入試「高考」について、

2026年の全国の高考登録者数が1,290万人に達したこと、

そして日本の大学入学共通テストの受験者数と

単純に比較するだけでは、実際の競争の厳しさは

見えてこないことを書きました。


では、その1,290万人は、

実際にはどのように競争しているのでしょうか。


大きなポイントの一つが、


「自分が、その地域でどの位置にいるのか」


ということです。


中国の高考では、全国の受験生を一つのランキングにして、

上から順番に大学を割り当てるわけではありません。


各省・自治区・直轄市などを単位として選抜が行われるため、

重要になるのは全国順位よりも、

その地域の中での自分の順位です。


中国では、この順位を「位次」と呼びます。


つまり、自分が同じ地域の受験生の中で

何番目に位置しているのか、ということです。



■ 同じ「600点」でも、意味は同じではない


たとえば、ある受験生が高考で600点を取ったとします。


日本の感覚では、


「600点なら、どの大学を狙えるのか」


と考えたくなります。


しかし、中国では600点という数字だけを見ても、

志望校を判断することはできません。


なぜなら、同じ600点でも、


・どの省で受験したのか

・その年の問題の難易度はどうだったのか

・同じ地域の受験生がどのくらい得点しているのか


によって、その点数が示す位置が変わるからです。


つまり重要なのは、


「600点を取った」


ということだけではなく、


「600点で、その地域の何番目にいるのか」


ということです。


高考では、点数そのものだけでなく、

その点数によって得られた順位が、

進路を考える重要な材料になります。



■ 大学の募集枠も、地域によって違う


さらに、高考を理解するうえで重要なのが、

大学の「招生計画」です。


中国の大学は、すべての地域から

同じ人数を募集しているわけではありません。


大学ごとに、


「この省から何人募集するか」


という募集計画が設定されています。


つまり、同じ大学を目指していても、

「その大学全体で何人募集しているか」だけではなく、

「自分の省から何人募集しているか」を

見る必要があります。


そのため、同じ大学を志望していても、

受験する地域によって募集人数や競争状況が

異なることがあります。


ここは、日本の大学受験との大きな違いの一つです。


日本の一般選抜では、中国のように

省に相当する地域ごとに大学の募集枠が設定される仕組みは、

一般的ではありません。


一方、中国では、


「自分の地域に、その大学の募集枠がどれだけあるのか」


という条件も、

進学先を考えるうえで重要になります。


つまり、


点数

↓

地域内での順位

↓

その地域に割り当てられた大学の募集枠


という複数の要素を見ながら、

志望校を考える必要があるのです。



■ 「何点必要か」より、「何位なら届くか」


この仕組みを知ると、中国の受験生や保護者が

過去の合格データを見るとき、

単純な合格最低点だけを見ているわけではないことが

分かります。


たとえば、ある大学について、


「昨年は620点で合格した」


という情報があったとします。


しかし、それだけでは十分ではありません。


大切なのは、その620点が、


「その省で何位だったのか」


ということです。


年度によって問題の難易度が変われば、

同じ順位でも得点は変わります。


そのため、


「昨年の合格者は何点だったか」


だけではなく、


「昨年の合格者は、その地域で

 どのあたりの順位だったのか」


を見ることが重要になります。


日本の大学受験で、

模試の得点そのものだけでなく、

偏差値や順位、判定を見る感覚に少し似ています。


ただ、中国ではその順位と

地域ごとの大学の募集計画が結びついているため、

志望校を考えるうえで非常に重要な意味を持っています。



■ 1,290万人が、全員で一つの席を争っているわけではない


こう考えると、


「中国では1,290万人が高考を受験する」


という数字の見え方も少し変わってきます。


もちろん、1,290万人という規模そのものは

非常に大きなものです。


しかし、その全員が全国で一つの巨大なランキングを作り、

同じ大学の席を直接争っているわけではありません。


実際には、それぞれの地域の中での順位をもとに、

その地域に割り当てられた大学の募集枠を見ながら、

進学先を考えていきます。


だからこそ、中国の大学受験の厳しさを見るときには、


「受験生が何人いるのか」


だけではなく、


「どの地域で、何位にいて、

 そこにどれだけの大学の募集枠があるのか」


まで見なければ、

実際の競争は見えてきません。



■ 日本の大学受験にも通じること


制度そのものは、中国と日本で大きく異なります。


それでも、中国の高考を見ていると、

大学受験では「何点取ったか」だけではなく、

「その点数がどんな位置を意味するのか」を

見ることの大切さがよく分かります。


日本でも同じです。


模試の点数だけでなく、

偏差値や順位、判定、

そして志望校の入試科目や配点。


それらを組み合わせて初めて、


「今、自分はどこにいるのか」


そして、


「志望校まで、あとどのくらいなのか」


が見えてきます。


点数を見るだけではなく、

点数から自分の現在地を読む。


それが、大学受験を考える出発点なのだと思います。


 
 
 

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