夏期講習期間中に高い意欲を持続させる方法と効果的な勉強法

　夏休みが始まり、いよいよ夏期講習が本格化していく時期です。この期間をどう過ごすかで、秋以降の成績が大きく変わります。しかし、長い夏を乗り切るには、そもそも高い意欲をどうやって持続させるかが最大のカギです。

　まず考えてほしいのは、「どんな大学生になりたいか」「来年の今頃、自分は何をしているか」ということです。これは漠然としたものではなく、できるだけリアルに思い描いてください。将来なりたい職業がある人、大学で学びたい専門分野が決まっている人はもちろん、「有名大学に合格して周囲に誇りたい」「高い給料を得て自由に暮らしたい」「素敵な異性と出会いたい」「一人暮らしで自由な時間を楽しみたい」など、どんな動機でもかまいません。大切なのは、自分の未来を具体的にイメージすることです。

　成功者は驚くほど皆、この「イメージトレーニング」を実践しています。リアルに具体的であればあるほど、脳はそれを現実にしようと無意識に行動を始めると言われています。ただ勉強しろと言われても続かない人も、ぜひ一度自分の理想を紙に書き出し、頭に鮮明に焼きつけてください。

　さて、意欲を高めたら、実際の勉強法です。夏期講習で特に力を入れてほしいのが「暗記」と「演習」です。

　まず暗記について。人間の脳は新しい情報をまず短期記憶に入れ、命に関わるほど大切だと判断したものだけを長期記憶に移します。つまり、英単語や公式、歴史用語などは、放っておくと勝手に忘れる仕組みになっているのです。だからこそ、脳をだます必要があります。

　効果的な方法は、繰り返しです。授業で覚えたことを、授業のすぐ後・寝る前・朝起きた直後・週末の４回、タイミングを分けて暗記してください。人間の脳は、繰り返される情報を「重要だ」と錯覚し、長期記憶に保存します。何度も繰り返すことが、暗記成功の最大の秘訣です。

　次に演習について。解説を読むだけ、ノートを写すだけでは意味がありません。必ず、自分の手で問題を解き直しましょう。理想は授業を受けたその日のうち、遅くても翌日までに復習問題に取り組むことです。そのとき、ただ答えを出すのではなく、「なぜこうなるのか」を自分の言葉で説明してみてください。選択肢問題でも、正解だけで満足せず、なぜ他の選択肢が違うのかを考え抜くことで、知識が確実に身につきます。解けないときは、解説を見て終わりではなく、もう一度自力で挑戦するか、すぐに講師に質問して疑問をつぶしましょう。

　暗記も演習も、結局は「復習」です。新しいことをどんどん進めるよりも、復習に時間をかける方が、実は一番力がつきます。進んだ気がするだけの学習ではなく、確実に頭に残る学習をすること。これが、夏期講習で成果を出す最短ルートです。

　この夏、ぜひ自分の未来を何度も思い描きながら、「繰り返す」「手を動かす」を徹底して、成績を一段引き上げましょう。来年の今頃、理想の自分になっているために。