私立大学の定員厳格化とコロナショック

最初に申し上げますと、私大の定員厳格化とコロナショックは全く別の話になります。しかし、両者は互いに影響し合い、大学の難易度(偏差値)に作用しています。


 まず、定員厳格化についてですが、下の数字のように2016年以降、毎年定員をオーバーする率の上限を下げてきた訳です。


  収容定員      収容人数

4000~8000人    8000人以上

2016年 1.27倍    1.17倍

2017年 1.24倍    1.14倍

2018年 1.20倍    1.10倍


全くご存じなかった方には奇妙に聞こえるかも知れませんが、これまで私立大学文系は定員をオーバーするのは当たり前、常態化していたということで、それを是正する措置、これが定員の厳格化です。

 定員の厳格化そのものについては他に詳しいサイトがいくらでもありますので、そちらを参照して頂きたいと思います。ここでは、播磨塾での体験、塾生達の戦記を振り返ってみたいと思います。

 この定員の厳格化という政策の影響を播磨塾として痛感したのは2019年の春でした。逆に言うと2018年以前は、世間では私文の入試は厳しくなったとすでに言われていましたが、播磨塾の生徒達は予定メニューをこなし、志望校にちゃんと合格していたのです。しかし、この2019年の春は違っていました。中堅の私大の偏差値は一挙に5は上がったと推定しています。関関同立についても概ね2~3は上昇したのは間違いありません。ネットでいろいろなコメントを読んでみましたが、安全志向が強まったという意見が多く見受けられ、衆目の一致するところだったと考えます。


2020年の春は、この安全志向がさらに強まることとなります。センター試験最後の年だったからです。この年の受験戦線はさらに厳しいものになりました。多くの受験生が浪人を回避したからです。結果2021年、初の共通テストは浪人が2万人以上減少しました。このことから推し量ると、2020年は少なくとも2万人以上が安全な道を選んだことになります。2019年の春、2020年の春はかなり厳しい状況だったことは間違いありません。

 2021年は浪人の減少とコロナショックがこれまで高止まりしていた私大の難易度を下げました。大学関係者の話によると、県境を越える受験生が激減したとのこと。つまり、地方の受験生が地方に留まり、地方の大学へ進学するという傾向がはっきりと現れた訳です。皮肉なことにコロナが地方の若者が都市部に出ずに地方に留まるという政府の目的(定員の厳格化の目的)を達成した形になりました。


2022年の春はコロナ次第ということになります。定員は厳格化されそのままな訳ですから、コロナが収束している場合は偏差値は高くなるでしょう。しかし、コロナショック継続の場合は本年の春同様に易化する(まだ、大手予備校の数値は公表されてませんが)ものと考えます。しかし、いずれの場合においても希望はあるものです。近年新しい傾向が見られます。それは後期試験(3月入試)が以前ほど難しくないということです。諦めずに最後まで頑張った人には福があるということです。2019年以降の困難な状況の中、播磨塾の塾生の中に最後まで頑張り通して見事、志望校に合格した人が幾人もいます。


コロナショックが治まらない場合、地方の国公立の難易度が高まり、都市の私立の難易度が下がる。収束の場合はその逆ということになり、旧帝大クラスについては大きな変化はないものと考えます。大学入試の種類が増え、定員の厳格化、コロナショック、共通テストの開始と様々な要素が絡み合い、状況は混沌としていますが、正しい情報のもとに適切な受験指導を行っていき、塾生たちが安心して当日を迎えられるよう指導していく所存です。




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