【物理で伸び悩むあなたへ】「好き」だけではダメ？誤解を解いて高得点をつかむ方法「物理は好きだし、授業もわかる。問題だって楽しく解ける。なのに、どうして点数が伸び悩むんだろう…

　物理好きのあなたなら、そんな風に感じたことがあるかもしれませんね。物理を選択していない人からすれば、「そんなことありえない！」と不思議に思われるかもしれませんし、「下手の横好き」なんて心ない言葉をかけられた経験がある人もいるかもしれません。

　でも、どうか諦めないでください。これを読めば、「好きこそものの上手なれ」を体現できるはずです。もしあなたが既に高得点を取れているのなら、それはもう実践できている証拠。この先は読む必要はありません。自信を持って、今の勉強法を続けてください。

　さて、伸び悩みの原因、それは意外なところにあることが多いのです。

もしかしたらあなたは、物理の現象を、自然科学だからという理由で、日常生活の出来事に置き換えて、自分なりに深く考えて答えを導き出そうとしていませんか？

　耳の痛い話かもしれませんが、物理学の天才ではない私たちが、頭を捻って導き出した答えは、残念ながら多くの場合、間違っているのです。ずばり、あなたの考えの約４割は間違っていると言っても過言ではありません。だからこそ、目標とする点数に届かないのではないでしょうか。（もし７割も間違っていると感じるなら、それは30点以下という結果に表れているはずです。）

では、どうすれば高得点を掴めるのでしょうか？

その答えはシンプルです。それは、現在に名を残すような天才物理学者たちが、何十年もの歳月をかけて築き上げてきた物理の考え方を、忠実に真似ること。あなたが数分で考えついた答えよりも、遥かに信頼できるはずです。

　例を挙げましょう。犬の散歩をしている人を想像してみてください。元気な犬が先へ行こうとするのを制止するために、飼い主はリードを引っ張りながら２kmの道のりを歩きました。この状況を聞くと、私たちはつい「人間が犬のために仕事をした」と考えがちです。

しかし、物理の視点から見ると、実はこの場合、犬が人間に対して仕事をしたことになるのです。つまり、人間は負の仕事をした（仕事をされた）、と解釈できるのです。これからは散歩から帰ってきたら、犬に「人に対して、いっぱい仕事してきてお疲れ様。」と労い、人間の方には「君は犬に仕事してもらったのだから、お礼を言いなさいね。」と声をかけてあげるのが、物理的には正しいかもしれません。私たちが日常的に「エネルギーを与えている」と感じる行為が、物理の世界では逆の解釈になることもあるのです。

　このように、「普通に考えると…」という直感的な考え方が、物理の世界では正解を遠ざけてしまうことが、実は చాలా多いのです。

だからこそ私は、皆さんには問題を丁寧に読み解き、状況を図に描き出し、どの物理の考え方を忠実に適用すれば良いのかを考えるように指導しています。これこそが、真の「考える力」なのです。

　物理の世界には、今回ご紹介した以外にも、たくさんのユニークな考え方が存在します。授業を通して、それらを一緒に楽しみながら学び、着実に得点力をアップさせていきましょう！