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執筆者の写真播磨塾 進学塾

私立大学の入試傾向

今回は私立大学の入試傾向についてお話しします。全体を通して整理すると、9月・10月に実施される入試には「指定校推薦」と「AO入試」があります。


指定校推薦は、高校から推薦を受け、校内の書類審査を通過すると、基本的に面接だけで進める形式です。よほどの問題がなければ合格がほぼ確約されています。一方、AO入試(Admissions Office入試)は、学力試験だけでは測れない受験者の個性や目的意識などを総合的に評価する入試形式です。大きく分けると、指定校推薦に近い「合格の可能性が高いもの」と、一芸に秀でていることを証明する必要がある形式の2種類があります。これらの入試には、高校の先生の協力が不可欠であり、大学側も高校からの推薦を待つ形を取ります。


11月には「公募推薦」が始まります。名前に「推薦」とありますが、実質的には一般入試に近い筆記試験です。一般試験との違いは、①年内に実施されること、②科目数が少ないこと、③高校の内申点が若干評価されることの3点です。ただし、かつて公募推薦は一般試験よりも合格しやすいと言われていましたが、現在ではこの常識は崩れています。理由は、「年内に合格通知を手に入れたい」という安全志向が強まり、競争が激化しているためです。また、科目数が少ない分、受験のハードルが低いと感じる受験生が多く、倍率も高止まりしています。この試験では年内に合否が確定し、必要経費を納めれば入学資格が得られますが、入学金は返還されません。


翌年1月中旬には共通テストが実施されます。共通テストについての詳細は以前に述べましたが、ここでは私大志望者にとっての意義を説明します。センター試験時代から、共通テスト利用の合格ラインは偏差値で5程度、得点で10ポイントほど厳しくなる傾向があります。つまり、共通テスト利用で合格できるなら、一般試験でも合格できると考えられます。ただし、共通テストは私大の一般入試とは出題傾向が異なり、それに注力すべきかは慎重に判断する必要があります。また、播磨塾での実績を振り返ると、共通テスト利用で合格した生徒の約80%が特待生合格でした。これは大学側が高めの合格ラインを設定しているためであり、国公立や他私大への流出を見越した対応と考えられます。


1月末から始まる「一般試験(前期)」は、かつては大学入試の本番と位置づけられていました。この形式を中心に据えるスタンスは、現在でも重要だと考えます。公募推薦は難化し、共通テストは私大とは異なる傾向が強まっているため、一般試験をメインに据える戦略が適していると言えるでしょう。一般試験は2月中に全国で行われ、3月には「ファイナル」などと名付けられた試験が続きます。


私立受験の最大の魅力は、失敗しても次の機会があることです。1つの大学で同じ学部を複数回受験できるほか、後期試験を実施する大学も多数あります。実際、公募推薦・共通テスト利用・一般試験すべてで不合格だった受験生が、後期試験で合格を勝ち取る例も珍しくありません。私立大学の入試では、最後まで努力を続けた人が報われることが多いようです。


入試は長丁場ですが、最後まで諦めずに取り組む姿勢が、合格への鍵となるでしょう。


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