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春の嵐のあとに

タイトル

春という季節には、やわらかな光や穏やかな空気の印象がある。けれどその一方で、強い風や雨をともなう日が、ふと訪れることがある。いわゆる春の嵐である。


暖かさが続いたかと思えば、急に空が崩れる。その移ろいは、どこか落ち着かないものにも感じられる。


しかし、このような変化は決して特別なものではない。冬の空気と春の空気がゆっくりと入れ替わる、その過程で自然に生じるものである。


暖かさと冷たさが交わるとき、空は一時的に不安定になる。その結果として、風が強まり、雨が降る。


つまり春の嵐は、季節が静かに動いていることを示す現象でもある。

私たちは、穏やかで変わらない日々に安心を覚える。そのため、こうした揺らぎに出会うと、少しだけ心がざわつく。


けれど、何も変わらないままに時が過ぎていくことは、実際にはほとんどない。目には見えなくても、季節は少しずつ移り変わっている。

嵐が過ぎたあと、空気が澄んだように感じられることがある。景色そのものは変わらなくても、どこか輪郭がやわらかく整うように思える。

それは、見えないところで空気が入れ替わり、次の季節へと進む準備が整ったからなのかもしれない。


変化とは、いつも静かに訪れるとは限らない。ときには小さな揺らぎをともないながら、ゆるやかに進んでいく。

その過程を無理に避けることはできず、また、必要な時間でもあるのだろう。


春の嵐はやがておさまり、再び穏やかな日が戻ってくる。

その繰り返しのなかで、季節は少しずつ深まり、気づけば春は、すっかり日常の中に溶け込んでいる。


大きく変わったようには見えなくても、確かに前へ進んでいる。

春の嵐は、そのことを静かに伝えているように思われる。


 
 
 

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