オンライン授業や録画授業はかなり以前からあったものですが、今般のコロナ禍で、その存在が大きくなったのは事実でしょう。しかし、こんな状況の中で現場に従事する話し手たちが異口同音のことを言います。やはり対面で話すことが大事ですと。
では、その理由とはどんなものが挙げられるでしょうか。
「講師がムードを感じ取れる点」
対面授業の最も良いところは、場の中に話し手(講師)が存在し雰囲気を感じ取れるという点です。話手が話さなければならないテーマは塾の授業でも講演会でも予め決まっていることですが、聞き手が話に全く付いて来れていない場合、内容を繰り返したり、使用する言葉を易しいものにするなど調整が可能です。また、逆に話が聞き手(生徒達)にとって簡単過ぎて退屈なムードが漂ってきた場合、スピードを速めたり、高度な内容を話す事も可能となるでしょう。つまり、対話授業は話し手(講師)と聞き手(生徒達)の双方で作り上げるものなのです。これを例えるなら舞台劇と映画の関係に近いと言えるかも知れません。もちろん、世の中に名作と言われる映画は多数存在します。しかし、ここで、ある高校生が同じ物語を舞台劇でみる場合と、映画でみる場合とを比較してみましょう。深く印象に残る確立はどちらが高いかを想像してみて下さい。本来の授業の目的とは生徒たちに少しでも多くのことを理解し吸収してもらうことだったはずです。
「タイムリーな質問が可能な点」
実際の授業では、一つ一つのテーマが完了するたびに質問の有無を問いかけます。質問とはタイムリーだからこそ有効と言えます。そもそも、時間が経過してから質問できる人とは、その話(講義内容)がほぼ理解できている人。あるいは自己で解決できていないところが整理できている人であり、中学生や高校生に求めるには非常にハードルが高いように思われます。(その様にできる生徒達もいます。)
学習の本来の目的とは生徒達が授業の内容を理解し、更に彼ら自身が自力で問題を解けるようになることです。そして、この目的を限られた時間で達成することです。
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