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大学受験に通用する数学の学習法

 解答と解説のしっかりした参考書や問題集を全部こなすと、入試問題と向き合った時に解法が見えてくる。とお考えの方が多いと思います。もしくは、そのようなアドバイスを受けた方も多いと聞きます。しかし、そういった学習法を実行した生徒は、受験を終えて帰ってくると「頭が真っ白になった」というセリフを口にします。人一倍努力をしたようですが、その方向が間違っていただけで、こんな残酷な未来が待っているのです。そもそも、定期テストのように、あらかじめどの分野、もっと言うと、どのような問題が出題されるか分かっているようなテストでさえ、この方法では思い通りに解答が出来なかったと耳にします。そこにきて入試問題です。もちろん、出題の分野も問題の種類も予想できないテストです。「頭が真っ白になった」というセリフは、私に言わせれば必然です。このようになってしまった理由をいくつか考えてみましょう。


 一つは、“ノルマをこなす”というような作業になってしまったことです。

数学の問題の解き方は、決して点と点を結ぶ作業ではないのです。1000問こなしたからといって、1000パターンの問題が解けるようになっているわけではありません。一生懸命パターンを暗記したのでしょうけど、その暗記が役に立つ入試問題に出会える確率はわずかです。そもそも、本当に暗記できているのでしょうか。漢字練習じゃあるまいし、解答をノートに写すだけでは解法パターンの暗記は不可能だと思います。

 それでは、何が悪くて、何が良いのでしょう。“解答と解説のしっかりした参考書や問題集”はとても良いのですが、“ノルマをこなす”が良くないと言いたいのです。その参考書等で、根本の理解までできたといえる5問をこなしていれば、1000パターン以上の問題が解けるようになるぐらいです。数学という論理学なのですから、根底にある論理を用いて大学側が出題した“解答のある問題”を、やはり論理を用いて受験生が“解答の復元”をすればいいだけなのです。例えば、軌跡の問題は、一般に基本パターン5つ、標準パターン3つ、応用パターンはもちろん無限にあります。ここで、私がいう根本の理解が1つ、そして、それを用いて基本問題2つ、標準問題2つを解くと、大学入試で出題される軌跡の問題でしたら優雅に解答できるようになっていることでしょう。


 二つ目は、ある有名な参考書の問題数、数学ⅠAで590問。数学ⅡBで580問。数学ⅢCで680問。こんな膨大な量をこなせるのでしょうか。以前、私の制止を振り払い、チャート式3冊をこなした生徒がいます。2月から12月までかけて、他の教科の勉強時間のほとんどを犠牲にして、ノートに解答を写す作業を完遂した強者がいました。この生徒のように11ヶ月間犠牲を多く払いながら、その量をこなせますか?しかも、その生徒のように完遂したからといって、一つ目の理由の問題があります。ちなみに、その生徒の入試の結果は散々なものでした。

 その他にも、根底の理解を大切にし、論理を学習する勉強法の方が感情もはたらき、印象に残るというものです。だから私は授業の中で「あなたたちは、もっと喜怒哀楽を持って数学の授業を受けたり、問題を解いたりした方が良い。」と言っています。だから、事務作業のように参考書の全部の問題を使って勉強・・・などということは今すぐやめて、本当の数学の学習法を一日も早く知って実行するべきだと私は思います。


 
 
 

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