勉強の合間の休憩のしかた

　お子さんの勉強を見守る中で、「休憩ばかりしているのでは？」「スマホばかり見ていて大丈夫？」と不安に思う保護者の方も多いと思います。特に定期テスト前は勉強時間も長くなり、休憩の過ごし方が結果に大きく影響します。そこで今回は、良い休憩と悪い休憩について整理してみましょう。

脳は本当に疲れるのか？

　長時間勉強をすると「脳が疲れた」と言う生徒がいます。しかし実際には、脳そのものはそう簡単には疲れません。同じ作業を続けることで「飽き」が生じているか、あるいは座りっぱなしで普段使わない筋肉を緊張させていることで「体が疲れている」状態なのです。つまり、休憩で必要なのは「脳を休ませること」ではなく、「体を動かすこと」と「気分を切り替えること」だといえます。

良い休憩のしかた

① 体を動かす

　立ち上がって軽くストレッチをしたり、家の中を歩いたりするだけで血流が良くなり、頭がスッキリします。肩や首のストレッチは特に効果的です。5分程度の散歩もおすすめで、新鮮な空気を吸うことで気持ちがリフレッシュされます。

② 勉強する科目を変える

　数学を続けて解いていると飽きが出てきますが、そこで英単語や国語の読解に切り替えると、頭の使い方が変わり再び集中しやすくなります。実は「科目を変える」こと自体が休憩の役割を果たすのです。

③ 時間を区切る

　休憩は5〜15分程度が理想です。短すぎるとリフレッシュできず、長すぎると勉強に戻れなくなります。アラームやタイマーを使って「ここまで」と区切る工夫が有効です。

悪い休憩のしかた

① ベッドに横になる

　「10分だけ」と思って布団に入ると、気づけば1時間…ということになりがちです。深く眠ってしまうと、その後に集中を取り戻すのは難しくなります。どうしても眠い場合は、机で突っ伏して15分以内の仮眠にとどめるのが安心です。

② スマホを見る

　SNSや動画は、人を惹きつけてやめられなくなるように作られています。少しだけ見るつもりでも、気づけば長時間が経過してしまいます。さらに「続きを見たい」という気持ちが残り、勉強への切り替えが難しくなるため、休憩中のスマホは避けるべきです。

まとめ

　休憩のしかた次第で、勉強の効率は大きく変わります。良い休憩は「体を動かす」「科目を変える」「時間を区切る」。一方で悪い休憩は「ベッドに入る」「スマホを見る」です。

　保護者の方には、ぜひご家庭で「休憩の仕方も勉強の一部だよ」と伝えてあげていただきたいと思います。そして最終的には、お子さん自身が自分に合った休憩法を身につけて、集中力を維持しながら学習を進められるようになることが理想です。