今年、2023年で共通テストも3回目となりました。人によって(講師によって、受験生によって)様々な感想があるでしょうが、一つはっきりした傾向があります。どの科目も問題文が長いということです。このことについて概ねスピードアップが必要とのコメントが述べられることが多いようです。実際に時間が足りなった受験生が多数いた訳ですから、当然のことです。
今回、このスピードアップの仕方について考察してみましょう。共通テストの問題文の長さの特色は只単に文が長い、図解などがあるの二つがあげられます。しかし、これらはどれも時間があればクリアできる問題です。ですから、アカデミックな難しさではないとの批判を耳にします。旧センター試験は基本的な知識を問い確認するという目的の下に作成されていたと理解しています。それに読解力や考察力が必要となったものが共通テストだったはず。しかし、その読解力が従来求められていたものと違うのではないか、ここに問題があると個人的に考えています。例えば、今、文章についての話をしている訳ですから、分かり易く国語を例に挙げましょう。従来、国語で難しいと言えば文章そのものがアカデミックで難しいということを意味していました。ところが共通テストにおいては、実用文(契約書や議事録)の登場により量そのものが要因となっています。
このような傾向は従来の大学入試のものとは異なるものです。実際に傾向の違いを認識した人の中には共通テストを受験しなくなった人が出ており、その数は少なくないと言われています。しかし、共通テストを1次試験として避けることのできない人達はその傾向が従来のものと違うと嘆いていても仕方ありません。この共通テストに対する違和感を克服するには、手段は二つ、速読の訓練か、従来通りの二次試験のような難解な文を攻略する演習を積むのか、私見は難解な文を攻略するです。その根拠は、難解な読むことにより速読力が身につくことを経験してきたからです。逆に速読の訓練をして速読力をつけても、二次試験の国語の問題はできるようにはなりません。
本稿の結論としては、今回は対策の一つになりますが、国立私立を問わず難関大学を目指される方は従来通りの勉強で問題ないと考えます。但し、共通テストにおける時間配分には注意して下さい。
問題は私立の中堅です。旧センター試験は私立の勉強の足固めにも十分なり得たのですが、共通テストは異なった要素が多い、この点に共感された私立志望者は共通テストの受験を無理にする必要はないと判断しています。自分自身に合うかどうかを吟味して下さい。
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