人が最も能力を発揮す時

        人はどんな時に能力を発揮するのか？勿論、いくつかの前提があります。まず、ここではこれは当然学習についてのことです。そして、同一人物についてのことです。

    これまで、長年、私は社会科の講師をしてきましたが、最も望ましい展開はテーマごとの導入時に興味を持ってもらうことです。人は興味を持って聞くことによって吸収力を増す者だからです。

　　そう、同じ人でも、興味を持って授業を聞くのと、関心を持たずにそれを聞くのとは大違いです。養老孟司著「バカの壁」の中に無関心が人をバカにするという内容があったのを記憶しています。つまり、その逆を言いたいのです。関心を持って授業を聞いてくれれば、皆、優等生だ、ということです。

　　更に申し上げると、自ら学習し疑問を持った時、その人の関心は最大に高まっているので、正にその時、吸収力も最大となっているのです。学習においては学習内容を吸収することこそが能力を発揮することであるとするならば、興味を持って学習し疑問が発生した瞬間、その人の学習能力は最大となるのです。

 よく、ご父兄から、授業では、ピンポイントで教えて頂けますか？とか、試験に出る箇所だけを教えて頂けますか？と言う要望を聞きますが、これはナンセンスです。そんな方法取ると、その時の勉強時間は短くて済むでしょうが、結局記憶にも残らず大学受験のその日まで何回も同じことを繰り返すことになります。知識は浅いものになり、テストで正解する確率が低くなるのは間違いありません。

　良い生徒とは興味を持って授業を聞いてくれる生徒、良い講師とは生徒の疑問に誠意を持って答える講師です。