やる気を出すのは、始めの「たった4分」
- 播磨塾 進学塾
- 6月5日
- 読了時間: 3分
塾の自習室で生徒たちを見ていると、これから大きく成績を伸ばす生徒、あるいはすでに優秀な成績を収めている生徒にはある共通点があることに気づきます。その一つが、自習室に来てから勉強を始めるまでの時間の短さです。
対照的に、こんな生徒もいます。自習室に到着するやいなや、まずトイレへ(これがまた異様に長い!)。その後はスマホでSNSチェック、おやつタイム、仮眠……と続き、気づけば「さあ、勉強を始めよう!」と思った頃には授業開始のベルが鳴っている。そして一日の終わりに「先生、一日って短いですよね。平日全然勉強できないんですよ!」と、地球の自転周期に責任転嫁する始末。
この話のポイントはどこにあるのでしょうか? 一日が24時間しかないことが問題なのではありません。重要なのは、「勉強を始める方法」です。「勉強を始めるなんて、ただ始めればいいだけじゃないか。こんな簡単なこともできないのか?」と多くの大人は言うかもしれません。しかし、彼らが高校生だった頃、本当にそれが簡単にできたのでしょうか? おそらく答えは「ノー」でしょう。そう、実は「勉強を始めること」は、非常に難しいことなのです。
『4分だけ勉強法』があなたの背中を押す
そこで、私が提案したいのが『4分だけ勉強法』です。これは、アメリカの心理学者レナード・ズーニンが提唱した『初動4分の法則』を応用したものです。
方法は至ってシンプル。自習室に着いたら、まずは**「たった4分だけ」**勉強してみてください。「トイレに行きたい」「スマホを見たい」といった欲求は、4分後にすればいい、と自分に言い聞かせ、とにかく4分だけ勉強を始めるのです。もちろん、そこから集中が続いて勉強を続けた方が良いと思えば、そのまま続けてください。
この方法は、私たちの脳にある『側坐核(そくざかく)』の働きを利用しています。ズーニンによると、この側坐核が活動を始めるまでに必要な時間が約4分なのだそうです。しかも困ったことに、この側坐核は「始めないことには働いてくれない」という性質を持っています。分かりやすく言うと、「始めてみたら、なんかハマった!」という感覚です。例えば、家の掃除をしなければいけない場所があるけれど、なかなか腰が上がらない。でも、ようやく始めてみたら「もっとキレイにしよう!」とか「せっかくだから、ここも掃除してしまおう!」と、長時間頑張ってしまった経験はありませんか? この現象こそが『作業興奮』と呼ばれるものです。
成功へ導く3つの注意点
この『4分だけ勉強法』を実践するにあたり、いくつか注意点があります。
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1. 最初は「できるだけ簡単で易しいこと」から始める
例えば数学なら、明らかに解けそうな問題から取り組んでみましょう。成功体験から始めることで、嫌な気持ちにならずに済みます。
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2. 「前日のうちに翌日の準備をしておく」
どの問題をやるのか、どの教材のどのページをやるのかなど、可能な限り具体的に、翌日取り組むべき勉強の準備をしておきましょう。
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3. 何よりも「すぐ始める」
トイレは自習室に来る前に済ませ、スマホを見るのも後にしてください。自習室に入ってから勉強を始めるまでの時間を、秒単位で短くすることを目指しましょう。
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最後に、最も重要なポイントを言い忘れていました。それは、この勉強法を「なるほど!これは実行しなければいけないね!」と言いながら、「とりあえず、今日はトイレとスマホと仮眠と……」となってしまい、結局実行することを後回しにしてしまうことです。
さあ、まずは「たった4分だけ」、始めてみませんか?

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